心の空のまちから

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小渕追分の道しるべ(其の三)・庚申塔に盃状穴があった!?

目次 

庚申塔に盃状穴が

以前、この青面金剛の庚申塔の写真を撮ろう思い、下の方を見ると何やら窪みが複数あることに気づきました。もしかして……

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下のほうを見ると何やら…

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窪みが

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こちらにも

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そして

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こちらにも

早速、通信制の大学で知り合った三重県鳥羽市在住の友人で日本民俗学会員の橋本好史氏に画像をメールで送ると「盃状穴のようですね」との返信がありました。

なお、橋本好史氏は、三重県の答志島にある美多羅志神社・八幡神社の宮司さんです。

ご自身のことが載っている新聞記事によると(おさらいの意味で)、

 盃状穴は、手洗い石などに硬い棒状の物で掘られた盃状のくぼみで、形状はさまざまだが、直径7㌢、深さ3㌢前後のものがよく見られる。1980年に梅光女学院大(現梅光学院大、山口県下関市)の故国分直一教授が、山口市の古墳から出土した石棺の穴に着目し、盃状穴と名付けた。

〜中略〜

 全国の盃状穴は、第一人者の兵庫県加古川市の三浦孝一さん(75)のまとめで、沖縄県から青森県まで3175件が確認された。主に江戸時代から明治にかけて寺社の石に掘られたという。北海道だけが未確認となっていたが、今回の確認で全都道府県で見つかったことになる。

 盃状穴は、欧州にもあり、「カップマーク」と呼ばれ、青銅器文化と関係した原始宗教の生産を願った表示と見なされている。

 韓国や中国でも「生産と豊穣のシンボル」として多数見つかっており、世界史と関連した考察が求められているという。

 全国各地で見られるにもかかわらず、これまで盃状穴があまり語られてこなかった理由について、橋本さんは「深夜の『丑三つ詣り』のように、穿(うが)つ行為が他人に知られると願掛け効き目がなくなるという口伝や迷信があったからではないか」と推測している。

(平成27年(2015)/2/7付毎日新聞)『「盃状穴」北海道にも』

なぜ、盃状穴があるのか

それにしても、なぜこの庚申塔に盃状穴が彫られているのか、それはわかりません。

以前ブログに書かせて頂いたように、浜川戸の春日部稲荷神社の参道の手水鉢に八丁目村新町の住民からの寄進と刻まれていましたが、その八丁目村は丁度この辺りです。江戸時代、この辺りに盃状穴を彫る風習や信仰(?)があったのでしょうか? 気になります。

春日部市郷土資料館の学芸員さんにお尋ねしましたが、わかりませんでした。

それ以来、神社やお寺に行くたびに手水舎、石塔など、気を付けて見ていますが、今のところ市内では、この小渕追分の庚申塔と春日部稲荷神社参道の手水鉢以外には見つけることができません。

【過去記事】

takejiisan.hatenablog.com

 

ちょっと余談

以前、この盃状穴の写真を撮っている時、年配のご婦人から「何しているの?」と聞かれました。きっと怪しい人と思われたのでしょうね(笑)。

「ほら、庚申塔の下の方に窪みがあるでしょう。珍しいので写真に撮っているんです」と答えると、「あら本当、なんだろうね、いつも見ているのに気が付かなかった」と仰っていました。もちろん誰が、何のために穿ったのかはご存知ありませんでした。

また、太平洋戦争の末期(東京大空襲?)、東京の方の空があかあかと見えた、そして逃げてきた人々が大勢この庚申塔(道しるべ)の前を北の方へ歩いて行ったことを思い出されとも仰っていました。

 

これらの石造物も人々のいろいろな歴史を見てきたのだなぁ、と感慨深く感じました。

何しろ300年もの長い長い間、ここにあって街道を行き交う人々を見てきたのですからね・・・

 

昔はもう少し高かった

ところで、この小渕追分の道しるべや前に見た小渕一里塚跡もそうですが、何となく埋もれているように見えませんか?

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小渕一里塚跡も何となく埋もれている?

この小渕追分のすぐ側にある春日部桐箪笥の老舗「山田桐箪笥製作所」の山田社長(先代?)のお話では「以前はもう少し地面が低かったので、道しるべや庚申塔は高く見えた」そうです。「道路工事で道路が嵩上げされ石造物は低く埋もれたょうになった」と仰っていました。

長年この庚申塔を見てきた人々も「盃状穴」があったことはご存知なかったようです。

多分、誰にも見られず、穿ったのでしょう。もちろん「盃状穴」ではないかも知れませんが。

 

 

その老舗の桐箪笥店については、次回に…

 

 

 

 

 

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